最強の節税投資「確定拠出年金」はどのぐらいお得?

確定拠出年金(日本版401k)ってご存知でしょうか?

超簡単に説明すると以下のような制度です。

  • 毎月一定金額を積み立てる。
  • 積立金を投資する対象が複数あり、自分で決めて投資する必要がある。
  • 原則、60歳になるまで現金取得できない。
  • すごい節税になる。

まあ確定拠出年金の詳細情報については銀行の確定拠出年金説明ページ等にお任せするとして、すごい節税になるってことを中心に書いてみようと思います。

確定拠出年金は60歳になるまで現金化できない積立投資信託口座みたいな制度なんですが、大きな節税メリットが3つあるんです。

確定拠出年金の3つの節税メリット

簡単に書くと以下の3つです。

  1. 確定拠出年金の1年間の掛金のうち、自分でだした金額に応じて年末調整で税金が戻ってくる
  2. 運用収益に税金がかからない
  3. 60歳になって現金として一括で受け取るときに、退職所得控除されて大部分に税金がかからない

 

私は、現在勤めている会社が企業型確定拠出年金をやっていないので、個人型確定拠出年金の方をやっているのですが、いまいち節税のお得度を正確には理解できていませんでした。

個人型確定拠出年金の年間掛金の金額分が所得控除になって、年末調整で税金の一部のお金が戻っくるので12月の月給に数万円上乗せされてうれしいな〜ぐらいの理解でした。確定拠出年金のおかげでいくらお金が戻ってくるのか正確には把握できておらず、60歳になった後にどうやって現金取得することができるかも正確には分かっていない状態でした。

ということで、確定拠出年金の年間掛金額と年末調整で戻ってくる税金金額の関係や、60歳になったときの一括受け取り時に課かる税金について詳しく調べてみました。

確定拠出年金をやってるおかげで年末調整で戻ってくる金額っていくら?

会社員の場合、確定拠出年金の毎月の掛金額上限が最大23,000円(年間276,000円)と決まっています。上限なのでこの金額以下でもOKです。

確定拠出年金には企業型と個人型の2種類があるのですが、個人型の場合は掛金全額が所得控除対象になります。企業型の場合は、企業側が出してくれている金額は所得控除対象にはならず、追加で自分の給与から出している金額がある場合はその分だけ所得控除対象になるそうです。

で、会社員が個人型年金で上限額の23,000円/月を掛けると最大で55,200円戻ってくるらしいことは検索して分かりました。

年間の掛金額276,000円の場合
最大55,200円が年末調整で戻ってくる!
※所得税率20%で計算した場合

引用元:野村の確定拠出年金ねっと

でも、自分の場合は実際にいくら戻ってきているのかがよく分かりません。いろいろ調べた結果、2つの段階的な計算方法がわかりました。

戻ってくる金額の超概算方法

いろいろ調べて計算するのは面倒という人はだいたい以下の計算式で戻ってくる金額が把握できます。あくまでも概算する方法です。

戻ってくる金額 = 個人型確定拠出年金の年間掛金額 × 0.1 ※1

(※1 課税総所得金額に応じて0.05、0.1、0.2、0.23、0.33、0.4のいずれか)

計算式の0.1の部分は課税総所得金額に応じて変わるようになっていて、年収500万円ぐらいの私の場合は0.1でした。私の掛金は年間12万円だったので、年末調整で戻ってきていたお金は12,000円だったようです。

もう少し詳しく調べるには源泉徴収票と所得税額速算表で計算

上の式で0.1の部分が自分の場合はどうなるかを詳しく調べるには給与所得の源泉徴収票を見ながら計算するとわかります。(源泉徴収票の見方については「税ブロ!!」さんのページがすごくわかりやすかったので参考にさせていただきました。)

まず、源泉徴収票を見ながら以下の計算式で課税総所得金額を計算します。

課税総所得金額 = A(青枠の金額) − B(赤枠の金額)

私の場合は、3,412,000 – 1,258,560 = 2,153,440 で課税総所得金額が2,153,440円ということが分かりました。

今度は以下の所得税の速算表(参考元:国税庁ページ)上で自分の課税総所得金額がどの範囲に入るか調べると税率が分かります。

課税総所得金額等 税率と控除額
 195万円以下 課税所得金額×5%
 195万円超 330万円以下 課税所得金額×10%-97,500円
 330万円超 695万円以下 課税所得金額×20%-427,500円
 695万円超 900万円以下 課税所得金額×23%-636,000円
 900万円超 1800万円以下 課税所得金額×33%-1,536,000円
 1800万円超 課税所得金額×40%-2,796,000円

 

この税率が以下の式の税率部分に入ります。私の場合は課税総所得金額が2,153,440円なので、上から2番目の「課税所得金額×10%-97,500円」となり、税率は10%。「12万円 × 10%」なので実際の計算式は「12万円 × 0.1」となり、戻ってくる金額は12,000円となります。

戻ってくる金額 = 個人型確定拠出年金の年間掛金額 × 税率

もし私が掛金上限めいいっぱいの年間276,000円にすると、年間掛金120,000円との差額+156,000円分が所得控除金額に追加されます。ということで課税総所得金額を計算すると以下のようになります。

A(3,412,000) − B(1,258,560) − 差額(156,000) = 1,997,440

上の所得税の速算表で確認すると、税率は変わらず10%なので、計算式は年間掛金額276,000 × 0.1 となり、戻ってくる金額は27,600円になります。掛金年間12万円のときと比べると15,600円多く税金が戻ってきます。すばらしい!

ということで、早速自分の掛金を上限の月23,000円に変更しました。

60歳になって一括受け取りするときの税金っていくら?

では60歳になって確定拠出年金を受け取るときには払う税金はいくらになるのか?気になりますよね。

確定拠出年金の受け取り方法は2種類、一括で受け取る方法年金として分割で受け取る方法があるんですが、それぞれ税金適用のルールが違うそうです。年金として分割で受け取る方法の方は税金計算がちょっと複雑みたいなので、今回は一括で受け取る方法の場合を調べてみました。

一括受け取りの場合は退職金に適用されるルールと同じで、一括受け取り金額から退職所得控除額を差し引いて、残った金額の半分が課税対象となるそうです。

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退職所得控除額は、確定拠出年金の掛金拠出年数で変わってくるらしく以下の計算式となります。

拠出年数 計算式
20年未満 40万円×拠出年数
20年以上 800万円+70万円×(拠出年数-20)

仮に30歳から60歳まで確定拠出年金の拠出を30年間行い2,000万円になったとすると、退職所得控除は800万円 + 70万円 × (30-20) = 1,500万円となります。

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ということで、(一括受け取り金額2,000万円 − 退職所得控除額1,500万円)/2 = 課税対象金額250万円となりました。

さて、この課税対象250万円にかかる税金を計算します。

  • 所得税は上の方で書いた所得税の速算表で確認すると250万円の10%から控除額97,500円を引いて15,2500円になります。
  • 復興特別所得税は所得税の2.1%になるらしく、15,2500円 × 2.1% = 3202.5円となります。
  • 住民税は一律10%で250,000円となります。

すべての税金を合計すると405,702円(端数切り捨て)となります。

金額だけみると結構取られるな〜と感じちゃいますよね。。。では確定拠出年金のお得度を知るために、普通の証券会社の口座で積立投資信託を同じように積立&運用した場合の比較をしてみます。

確定拠出年金と通常の積立投資の場合との税金比較

以下の表は30歳から60歳まで毎月1.5万円を積立投資した場合の金額早見表です。一番上の行の数値は年間利回り率(%)を表しています。

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例えば、毎月1.5万円を積立投資して年間利回り率6%で30年間複利運用できた場合、1,508万円の資産になります。自分で積み立てた金額は540万円で、運用による複利で増えた金額(差益)が968 万円となります。

通常の積立投資の場合

通常の証券口座で積立投資で同じ運用ができた場合、一括売却して現金化する時にとられる税金額は最低でも193.6万円になります。約200万円が税金で持っていかれることになるんですね。実際には200万円以上になると思います。

  • 譲渡益の所得税は20%なので、譲渡益968万円 × 20% = 193.6万円
  • 実際は30年の間に行われた売買時の譲渡益や配当金にも20%の税金がかかりますので、状況によってさらにたくさんの税金がかかります。

結果、マイナス約200万円となります。

確定拠出年金の場合

確定拠出年金でこの運用ができた場合に一括受け取り時にとられる税金額は4万円になります。税金激安ですね。

  • 退職所得控除額 = 800万円 + 70万円 × (30年 – 20年) = 1500万円
  • 所得税 = (一括受け取り額1,508万円 − 退職所得控除額1,500万円) / 2 = 4万円

加えて、毎年の年末調整で一部の税金が戻ってきます。年間掛金額18万円の概算で1.8万円が毎年戻ってきたとすると、30年 × 1.8万円 = 54万円となって、このケースでは実質トータルで50万円上乗せしてもらえる計算になります。

結果、プラス約50万円となります。

確定拠出年金のお得度のまとめ

現状(2015/11/22時点)の税制が変わらない前提となりますが、毎月1.5万円の掛金で年間利回り6 %を30年間達成できたとすると、通常の証券口座で同じ運用を行った場合と比較して250万円以上お得ということがわかりました。

そして、60歳のときに約1,500万円が手元に残るってすばらしいですね!

では1,500万円を作るために必要な年間利回り6%の資産運用はどうすればよいのか?確実な方法ではありませんが、今現在私が試している方法を後日ご紹介します。

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